ビーズの色合わせ(6)- 以前の配色が使えるとは限らない

前回作った作品の配色がとても気に入ったので、今回作る作品にもその配色を使おうと作ってみると、イメージと違うということがあります。

例えば、

  • 前回の時には、ちょうどよい感じだったのが、今回作る作品にその配色で作ると、ものすごく地味な感じになってしまう、逆に派手すぎる感じになってしまう。
  • 前回の時には、色をかなり変化させて作っているのに、今回の作品で作ると色の変化をあまり感じない。
  • 前回の配色ではぴったり合う感じだったのが、今回の作品で作ると、色の組合わせ自体がおかしく感じる。

などです。

作品のデザインや使うビーズのサイズや量、模様の入り方によって、同じ配色を使ったとしても全然違う感じになってしまいます。

おもしろいなと思うのですが、そこが難しい所でもあって、毎回悩んでいます。

でも、その気に入った配色のイメージは生かしたいので、どれかの色を変更したり、あるいは新しい色を足すか引くかなどで対応します。そうすると、前と似た感じだけど、少し違った雰囲気になって、それもまたいいなと思います。

ビーズの色合わせ(5)- 地味な色(落ち着いた色)を合わせる

「色合わせしたら、こんな配色になってしまって、今一気に入らないのですが。」と見せてくれた人の配色が、きれいな明るい色のビーズのみで構成されていました。
色の組み合わせは悪くないのですが、使用しているそれぞれのビーズの色が明るすぎて、その人の思う感じにはなっていなかったようです。

こういう場合は、地味な色(落ち着いた色)のビーズを合わせましょうと言っています。

ここでいう地味な色というのは、だれが見ても地味な色というよりも、組み合わせるビーズの色に対して地味な色ということで考えます。

ビーズ単独ではそれほど地味な色でなくても、合わせる色によっては、地味な感じに見えるということがあります。

例えば、ピンク系の配色をしている時、右の写真の上の段のビーズのような明るいきれいなピンクのビーズが入っている場合、これに、シルバーラインのライトアメジストのビーズを合わせると、少し落ち着いた感じの上品できれいな配色になります。

実際の作例では、以下のような感じです。

この場合、シルバーラインのライトアメジストのビーズは、ピンクのビーズに対しては地味な色ですが、ビーズ単独ではそれほど地味ではありません。
むしろ、シルバーラインなので大量に使うと派手にもなることもあります。

同系色の色のビーズで合わせてもいいですし、全く違う色合いのビーズで合わせてもいいのですが、イメージしているのと実際の感じが異なることがあるので、部分的に編んでみて、どの組み合わせがしっくりくるか確かめてから作るといいと思います。

ビーズの色合わせ(4)- シルバーライン系ビーズとの組み合わせ

色合わせで、うまくいかない時、いろんな原因があると思います。
ビーズの加工のことを抜きにして考えた場合も起こります。

例えば、ある作品の配色で、使いたいと思っていた色のビーズがシルバーライン(Silver Lined、銀引)系のビーズしかなく、それを組み合わせたという場合。

シルバーライン系のビーズは、キラキラしていて派手な感じがします。
濃い色の服に合わせるために、デザインはシンプルにしてキラキラ感を出したい場合に使うとか、縞模様を強調したい場合に使うとか、ネックレスを仕上げる時のビーズ同士の間に挟む場合など、意図して使う場合には、とてもいいと思います。

でも、優しいイメージで作るつもりでいて、使う量が多い部分に、シルバーライン系のビーズを使うと、そこだけが強調されてしまいデザインによっては違和感を感じる場合があります。

少しの量で見ていた時には、それほど派手さを感じなくても、集まるとかなり主張します。

目的の色が、シルバーライン系の物しかなくて、色は合うけど質感が合わない場合は、あまりその色にこだわらないで色を変更してみるのも1つの手です。
最初のイメージとは違ってきても、案外その方が良かったということは結構あります。

同じシルバーラインでも、ビーズの表面がマット加工されていれば、少し落ち着いて、内側のシルバーラインがそれほど強く出ないので、選択できるのであれば、そういうのを使うというのもいいかと思います。

ビーズの色合わせ(3)- 中染めビーズが小さく見えることを利用する

ビーズの色合わせ(2)- 中染めビーズが小さく見えることに注意」で「中染め(カラーライン:color-lined)ビーズは、小さく見えることがあるので注意が必要です。」と書いたのですが、今回は小さく見えることを利用するとどうなるかについてです。

上のダイヤモンドチェインステッチを使って作っているネックレスの写真を拡大したのが下の写真です。
ベース部分の濃いブルーに見えるビーズは、薄い水色のビーズの内側に濃いブルーでの中染めビーズで、これがアクセントカラーになっています。

この中染めビーズを例えばメタリックブルーに変えてみるとどうなるかを試したのが、下の写真です。

アクセントカラー部分のビーズが目立ちすぎて、バランスが悪いですね。

色合わせで、いろいろ試してみましたが、結局4色ともこのアクセントカラー部分は、中染めビーズで落ち着きました。
中染めビーズが小さく見えることで、ちょうどバランスを保っているというわけです。

また、薄い水色のビーズの内側に濃いブルーでの中染めなので、色が混じって少し抑えた色合いになっているのも目立ちすぎない要因になっています。

このように、同じような色でも、作るものによって使い分けることがあるので、加工の種類が異なるものがあれば、揃えておくといいと思います。

上記の写真のキットは、KT111-6NEのページで販売しています。

ビーズの色合わせ(2)- 中染めビーズが小さく見えることに注意

中染め(カラーライン:color-lined)ビーズは、透明又は透明系カラービーズの中を染めた物ですが、色によっては、小さく見えることがあるので注意が必要です。

上の写真のフリンジの場合は、矢印部分に中染めビーズが入っています。
たくさんある中の1粒であることと、ライトトパーズ色のビーズにペールブルーでの中染めで色が混ざって見えるため、特に小さく見える感じはありません。

しかし、下の写真のように、1色あたりのビーズの数が比較的多く入っていて、段階的に色が変化するようなフリンジの場合は注意が必要です。

上の写真では、中染めビーズは使われていないので、フリンジの太さに変化はありません。
しかし、下の写真のようにフリンジの途中に中染めビーズを使うと、フリンジの真ん中辺りだけ細く見えます。この場合は、特に無色透明のビーズに濃いアメジストでの中染めなので、特に細く見えると思います。

元のビーズの色と中染めの色の濃さが近い場合や、濃い色のビーズに中染めする場合などのように、色の組合わせによっては、あまり小さく見えない場合もあるので、ビーズの色合わせの時には、こういう点にも注意してビーズを選ぶようにした方がいいと思います。

ビーズの色合わせ(3)- 中染めビーズが小さく見えることを利用する