ビーズのドイリー(マット)の糸の引き具合について

オフルームのキットを購入された方からの質問で一番多いのが、ビーズのドイリーを編む時の糸の引き具合についてです。そのほとんどが、「出来上がった物が波打ってしまう。」という内容で、ビーズワーク教室でもよく聞かれます。

この時期になると、ビーズのドイリーを編む方も多くなるので、また少し書いておこうかと思います。以前にまとめた、ビーズのドイリーを編む時の全体的なコツについては、以下のリンクにあります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

今回は、もうちょっと分かりやすくというか、イメージしやすい感じに書いてみようかと思います。

下の図は、ドイリーのある段のビーズに通っている糸の部分だけを取り出した図です。

これを強く糸を引くと、下の図のように、山が小さくなります。実際にはビーズに通っているので、ここまで極端には縮まないですが、山が小さくなろうとして、ビーズがぎゅーっと集まってしまいます。これが、「出来上がった物が波打ってしまう。」という原因です。

だから糸を強く引いてはいけないのです。重しをしても伸びませんので、きつく編まないことが大事です。

強く引いてないけれど波打つという場合も、ドイリーの山の形がどこに出来ているかによって、強く引いてしまっていることになることがあります。それはビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3に書いてあるような形の場合です。

そういう場合は、一度、自分が思っているよりも極端にゆるく編んでみて下さい。それで糸が見えてしまう場合は少し糸を引いてみます。ある程度引くと、山になった部分がピョコッと持ち上がることがあります。そうするとやはり引きすぎなのでゆるめます。

こうすることでどのぐらい引っ張るとよくないかが分かるので、一度お試しください。

スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法

スパイラルヘリンボーンのキットは、ビーズアクセサリーLobeliaでは、KT152-1NEとKT122-1NEがあります。
これを編んでいて、編み上がりが部分的にゆるくなってしまうようなことはありませんか。

スパイラルヘリンボーンを1段編むのに、KT152-1NEのネックレス部分は2工程、KT122-1NEは3工程の作業があります。

スパイラルヘリンボーンは、2個のビーズを拾った後、隣の列のビーズに上から下方向へ2個分糸を通し、さらに隣の列のビーズに下から上方向へ糸を通します。
最後の工程だけは、2個のビーズを拾った後、隣の列のビーズに上から下方向へ1個分糸を通し、さらに隣の列のビーズに下から上方向へ糸を通します。

上から下方向へ2個分糸を通す部分は、よく締まるので、ゆるみにくいのですが、最後の工程では上から下方向へは1個分しか糸を通さないため、この部分がゆるみやすくなります。

KT122-1NEは3工程の内、上から下方向へ2個分糸を通す箇所が2工程なので、比較的ゆるみが出にくいのですが、KT152-1NEは、1工程は2個分糸を通し、1工程は1個分糸を通しますので、こちらは、特に気を付けないと、ゆるみの出方が顕著です。

どちらの場合も、最後の工程の時に、糸をゆるませないように注意すると、きれいな編み上がりになります。

筒状に編む場合は、編んでいる物を横に回転させながら編むと思います。
この時に、ビーズから出ている糸を、指から離してしまうと、糸が緩んでしまいます。

また、次の一針を入れる前にビーズから出ている糸を、指から離してしまい、そのまま次の工程をすると、針でビーズを動かしてしまい、せっかくきちんとした状態に編めている部分を緩めてしまうことにもなります。

針を持っていない方の手の指に糸を引っ掛けて固定し、常に編み目を緩ませないようにしておくことが大切です。

最後の工程だけは、他の工程よりも、やや強く糸を引いてから、指に糸を引っ掛けておくと、ちょうどよいくらいです。

スパイラルヘリンボーンのキットは、ビーズアクセサリーLobeliaのKT122-1NEはこちらKT152-1NEはこちらのページで販売しています。

オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

オフルーム(ビーズステッチ)の作品で、例えば、ブルー系のビーズが多い作品を作る場合は、ターコイズやブルーの糸などのように、ビーズと同系色の糸を使うことが多いと思います。

では、多色のビーズが入り混じった作品の場合は、どんな色の糸を使えばいいのか、結構難しい時があります。

例えば、下のビーズのドイリー(ビーズのマット)のような作品。いろいろな色のビーズが入っていますが、ホワイトの糸を使って編みます。

次の(1)~(4)の写真の、ペヨーテステッチで編んだ2枚のパーツはそれぞれ、同じビーズを使っていますが、左は、ターコイズの糸、右はホワイトの糸で編んでいます。(1)は不透明(:opaque、ギョク)のターコイズ色のビーズを使っていて、写真では分かりづらいかもしれませんが、左のターコイズ色の糸で編んだ方が、やや濃く見えます。
(2)は不透明のホワイトのビーズで、これはかなり色味が違って見えます。

ビーズ同士のすき間がほとんどないペヨーテステッチで、しかも不透明なビーズを使っていても、ビーズ同士のわずかなすき間から見える糸の色が影響しているためです。

(3)は、セイロン系のビーズで一見不透明のようですが、完全に不透明ではないため、ビーズそのものの色も濃くなって見えます。
透明系のビーズを使うと、この色の差はさらに出てきます。

(4)は、不透明の濃いブルーのビーズで、こちらはほとんど差が見えません。

以上のことと、このドイリーの場合、ホワイトのビーズと透明系のビーズの色は濁ってほしくないため、色味を変化させないホワイトの糸を使うということになります。

このドイリーは、ホワイトのビーズを使っていませんが、セイロン系のビーズが多いため、濃い色の作品ですが、これもホワイトの糸を使っています。
落ち着いた感じにしたい場合は、クリーム色の糸を使うこともあります。

その他にも、ブラック系のビーズと他に数色のビーズを使う場合、ブラックの糸では色が強すぎる感じがして、グレー、ベージュの糸を使うことが多いです。

同様に、グリーン系のビーズに、グリーンの糸を使うと、グリーンの色がより濃くなってしまうため、たいていクリームの糸を使います。グリーン系とブラウン系のビーズを合わせる時は、クリーム又はベージュの糸を使うことが多いです。

作品の種類によっても変わってきますし、使うステッチの種類によっては、糸が目立つこともあるので、一概にこの色の糸が最適と言えないのですが、作品がどのように見えるといいのか考えて、糸の色を選択するといいと思います。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)はこちらです。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3

「ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1 – その2」でビーズでドイリーを編む時の、糸の引き具合について書きました。

糸を強く引いて作っていないのに、まだ波打つ場合もあります。
今回は、ビーズのドイリーの構造について気を付けることを考えてみます。

ネッティングで編む場合、例えば、下左図のように、山型になっている部分の頂点にあるビーズから、常に次の段が始まる場合は、糸の引き具合にあまり気を付けなくても収まりはよいです。

しかし、段数が増えるにつれて、編み目が大きくなりすぎるため、下右図のように、山型の数を増やすデザインにしています。

その場合は、前の段の頂点以外の部分に、ビーズが収まることになります。
この部分で、波打つ状態が起こりやすくなります。

頂点の間にビーズが収まる場合は、隣り合うビーズ(図のaとb)の穴の距離が近いですが、頂点ではない所の間にビーズが収まる場合は、隣り合うビーズ(図のcとd)の穴の距離が遠くなります。


上記写真の場合は、ペヨーテステッチで編んでいるため、ビーズが半分ずつずれて並んでいるので、隣り合うビーズ同士の穴の距離は近い上に、筒状の形をしたデリカビーズを使っていることもあって、ビーズの収まりがよく、少し糸の引きが強くてもあまり問題にならず、平らに出来上がりやすいです。

よって、ネッティングで編む際に、頂点ではない所に、ビーズが入る場合は、通常よりも、さらに気を付けて糸をゆるくした状態にして作業する必要があります。

そのためには、手に持って作業するのではなく、机の上に置いた状態で作業するとうまくいきます。
ドイリーが平らになった状態で作業できるので、引きすぎている場合は、すぐにどこかが波打ってきます。
作業していても何も変化がなければ、適切な糸の引き具合で作業できていることが分かります。

机の上に置いたまま編むのは、初めは、少し作業しづらいかもしれませんが、直径の大きな物になると、置いた状態で作業しないと、逆に作業しづらくなるので、最初から、そのよう作業する癖を付けておいた方がよいと思います。

構造に注意することで、よりよい作業が行え、仕上がりが変わってきます。
初めて編む場合は、どのくらい引くのかという感覚がつかみにくいと思います。
うまくいかなかったら、波打たなくなる部分までほどいて、もう一度やり直すのが近道です。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)のキットはこちらです。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1」でビーズでドイリーを編む時に、糸の引き具合について書きました。

今回は、どういう場所で波打つ状態が起きやすいか書きます。

ネッティングの場合、下図のように、山型になっている部分が収まるスペースが、広い所(aとbの間)と、狭い所(cとdの間)があります。

同じ数のビーズが入る場合でも、広い所にある山型部分の高さは低く、狭い所にある山型部分の高さは高くなります。

狭い所に収まるビーズを入れた時に糸を強く引くと、山型になっている部分を平らにしようとする力が働き、元々あるスペースよりも広がった形になって収まるので、波打つ状態が起こりやすくなります。

狭い所にビーズを入れる作業している場合は、広い所での作業よりも、糸の引きを強くしないように、気を付けることが大切です。
確認の仕方は、「ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1」にあります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズアクセサリーLobeliaで販売しているビーズのドイリー(ビーズのマット)のキットはこちらです。