ビーズで作る花のコサージュの作り方のヒント(8)- ベース

葉や枝、花が出来たら、今度はコサージュとしてまとめる作業に入りますが、その前にベースを作る必要があります。

花が1個と枝が2本のように、小さいコサージュであれば、花の後ろで枝を縫い付けてしまいます。

しかし、パーツの数が多い場合は、写真のように、ベースに縫い付けるという方法で仕上げた方がよいです。

このベース部分もビーズで作ります。KT105-2MATやKT105-4MATなどのネッティングのマットの作り方を参考に、コサージュのデザインに応じて、円形又は楕円形の小さ目の物を作ります。使うビーズはコサージュのサイズによって、丸小にしたり特小にしたりします。

楕円形のベースは、円形のベースの変形です。
下の図の例のように、途中から横長になるように部分的にビーズを入れます。
1段このように編むだけでも楕円形の形状になりますので、後は好みで何段か編んでみて下さい。
また、山型の形も左右非対称の形にすると、より楕円形らしくなります。

ベースの部分をビーズで作る良さは次の通りです。

  • ネット状のベースのため、花や枝などのパーツ、ブローチ金具などが取り付けやすい。
  • 花や枝のすき間からベースが見えても、同じ素材なので問題ない。
  • 大きさや形が自由にできる。

ビーズで作る花のコサージュの作り方のヒント(9)- 組み立て

筒状やひも状のネックレスを編む時の糸の引き具合について

糸の引き具合については、教室でもよく話題になりますし、質問でもよくある項目です。
一人で作っていると、どのぐらいの強さで編むのがいいか、迷うことがありませんか。

どの程度というのは、感覚的で伝わりにくいので、どういう点に気を付ければいいのかとか、どのように出来上がればいいのかと考えてみると分かりやすいと思います。

例えば、ネッティング、ヘリンボーン、ダッチスパイラルなどのように、中空の筒状のネックレスを編む場合は、基本的には、筒の形がつぶれない固さに編めていることが必要です。

ただ、どのステッチでも同じ強さで編めばいいかと言うとそうでもなく、ヘリンボーンは、ビーズ同士がつながっている箇所が多く、糸をよく引くと締まりやすいので、あまり強く糸を引かなくても一定の力で編めばうまくいきますが、ネッティングやダッチスパイラルなどは、ビーズ同士がつながっている箇所が少ないため、ヘリンボーンで編む時よりも強めに糸を引かないと、柔らかくなってしまいます。
このように、ステッチの種類と特徴によって、編む強さを変える必要があります。

それから、ネックレスの両端を持って垂らしてみて、長さの変化を確認してみます。
机の上に置いている時に比べて、数センチも長くなってしまうようであれば、引き具合が弱くて柔らかすぎる仕上がりになっているということになります。

その次に、ネックレスの両端をそれぞれ左右の手に持って、図1のどちらかの矢印の方向にネックレスを、ずらしてみます。
うまく編めている場合は、図2のように、どちら側にずらしても、形が滑らかになっています。
うまく編めていない場合は、図3のように、いびつになっている部分があります。これは、図1の状態の時は、「確認箇所」の部分は、直線に近い形の部分にあるので、気付きにくいのですが、図3の位置に来ている場合は、曲線上にあるため、この部分の編み方がきついと、こういう形になります。

これは、ネックレス全体が一定の強さで編めていない場合と、糸継ぎをした部分の糸始末の際に糸を引きすぎている場合のどちらかが原因で起こります。

これらが全部、問題なくできている場合、どのくらいの固さになるまで編む必要があるかが、今度は気になってきます。
1つ編んだ後、その時の糸の引き具合よりも、意識して強く糸を引いて、もう1つ作ってみます。
2個目の状態が、上記の確認事項を試してみても、問題なければ、その糸の引き具合で作っても大丈夫だということになります。
逆に、1個目よりも意識して糸を少し弱めに引いて作ってみて、上記の確認事項が問題なければ、その強さでも大丈夫だということになります。

後は、作る作品の目的に合わせて、この範囲内で糸の強さを変えればいいと思います。
例えば、首への当たりを柔らかくしたい場合は、型崩れしない範囲で、少しだけ糸の引きを弱くして編んでみるとか、きれいな円形のカーブがしっかり出た堅さのあるネックレスにしたいと思ったら、強く糸を引いて編んでみるなどです。

このくらいの糸の引き具合で編むと、どのくらいの仕上がりになるかを手に覚え込ませるように、練習して感覚をつかむようにしましょう。

マットについては、ビーズのマットを編む時のコツ – その1その2その3を参考にしてみて下さい。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)のキットでよくある質問についてです。
疑問に思っている方も多いのではないかと思いますので、理由と、どういう時にする必要があるのかについて書いておきます。

ネッティングのステッチを使ったこのドイリーの作品の場合、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。

キットによっては、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。

と、なっている物もありますが、同じ意味です。

この「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」の作業をしなくても、形を作ることはできますが、持ち上げた時などに型崩れしてしまいます。

理由は、11段目にシードビーズを5個入れただけでは、上図の2個の×印の部分(5個のビーズの内の2、4番目)のビーズが直接つながっていないためです。
同様に、上図の2個の印の部分(1つ目の山型のビーズの5番目と隣の山型の1番目)のビーズも直接つながっていないためです。

下図のように、×印の部分のビーズと、印の部分のビーズに全て糸を通すと、「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」ということになります。このようにしておくと、型崩れしないだけではなく、山型の形も頂点が飛び出た、きれいな形になります。

この作業は、すべての段では行いません。
下の図のように、その段を編んだ時に、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、ぴったりとくっつくように並んでいる場合のみです。
この場合は、たいてい山型の数も多く、幅の狭い形になっていることが多いため、何もしないと、収まりが悪いため、必ず必要になります。下の図のように、その段を編んだ時に、山の形が低く、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、離れている場合は、行いません。

余談ですが、ペンダントトップの一番外側が、山型になっているデザインの場合も、同様の作業を行うと、きれいに仕上がります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

ビーズで編む壷の首がグラグラするのを防ぐには

ビーズで編む壷の首が、グラグラしたり、堅く仕上がらないという質問が良くあります。

胴の部分には芯が入っていて、あまり糸を引かなくても形が保たれますが、首の部分は、何も入っていないため、編んだ時の状態が仕上がりの堅さとなります。
そのため、首の部分は、胴部分よりも、糸にワックス(ビーズワックス:beeswax)をしっかりかけて、よく糸を引いて編む必要があります。
糸を強く引いて編むだけでは、作品が堅く仕上がりません」の記事も参考にしてください。

それ以外にも、壷の胴部分から首に移る部分をしっかり作っておく必要があります。
この部分は、形が極端に変わったり、使うステッチが変わったりするため、不安定になりがちです。


上記のKT312-2CHとKT120-4CHは、胴部分をネッティングで編むので、ビーズ同士がつながっている部分が少ないため、首の根元周辺がぐらつきやすくなります。
中に芯は入っていますが、胴部分の編み終わりの数段は、糸を強めに引いて編むようにすると、首の部分を作ってもグラグラしにくくなります。

また、首の部分の1段目を編んだ後、もう一度同じ所に糸を通してよく引いてから、2段目を編むとしっかりします。

スペース

KT324-2CHの首の部分は、筒状のヘリンボーンステッチで作ります。
それに対して、壷の胴部分のビーズの穴の向きは、筒状のヘリンボーンステッチで並ぶ方向には並んでいません。
そのため、首の部分の一番最初の段は、胴の部分のビーズの穴を上向きに起こすようなイメージで、糸をしっかり引いて編まないと、ぐらつきの原因になります。ここをしっかりしておくと、筒状のヘリンボーンステッチは、よく糸を引けば締まりやすいので、堅く仕上げることが出来ます。

首を編んだ後に、首の部分に何度か糸を通しておくのもいいことです。
ただ、持ち手を付ける前にしてしまうと、針が通らなくなることがあります。
形を作る時に、ある程度しっかりと糸を引いて作り、持ち手も付けて、後は糸始末するだけという状態になっても、まだグラグラするようであれば、首部分の編み目に針が通る範囲で糸を通してよく引いておくといいと思います。

壷のキット・携帯ストラップキットは、ビーズアクセサリーLobeliaの 壷のキットのページで販売しています。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3

「ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編むときのコツ – その1 – その2」でビーズでドイリーを編む時の、糸の引き具合について書きました。

糸を強く引いて作っていないのに、まだ波打つ場合もあります。
今回は、ビーズのドイリーの構造について気を付けることを考えてみます。

ネッティングで編む場合、例えば、下左図のように、山型になっている部分の頂点にあるビーズから、常に次の段が始まる場合は、糸の引き具合にあまり気を付けなくても収まりはよいです。

しかし、段数が増えるにつれて、編み目が大きくなりすぎるため、下右図のように、山型の数を増やすデザインにしています。

その場合は、前の段の頂点以外の部分に、ビーズが収まることになります。
この部分で、波打つ状態が起こりやすくなります。

頂点の間にビーズが収まる場合は、隣り合うビーズ(図のaとb)の穴の距離が近いですが、頂点ではない所の間にビーズが収まる場合は、隣り合うビーズ(図のcとd)の穴の距離が遠くなります。


上記写真の場合は、ペヨーテステッチで編んでいるため、ビーズが半分ずつずれて並んでいるので、隣り合うビーズ同士の穴の距離は近い上に、筒状の形をしたデリカビーズを使っていることもあって、ビーズの収まりがよく、少し糸の引きが強くてもあまり問題にならず、平らに出来上がりやすいです。

よって、ネッティングで編む際に、頂点ではない所に、ビーズが入る場合は、通常よりも、さらに気を付けて糸をゆるくした状態にして作業する必要があります。

そのためには、手に持って作業するのではなく、机の上に置いた状態で作業するとうまくいきます。
ドイリーが平らになった状態で作業できるので、引きすぎている場合は、すぐにどこかが波打ってきます。
作業していても何も変化がなければ、適切な糸の引き具合で作業できていることが分かります。

机の上に置いたまま編むのは、初めは、少し作業しづらいかもしれませんが、直径の大きな物になると、置いた状態で作業しないと、逆に作業しづらくなるので、最初から、そのよう作業する癖を付けておいた方がよいと思います。

構造に注意することで、よりよい作業が行え、仕上がりが変わってきます。
初めて編む場合は、どのくらい引くのかという感覚がつかみにくいと思います。
うまくいかなかったら、波打たなくなる部分までほどいて、もう一度やり直すのが近道です。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか

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