筒状やひも状のネックレスを編む時の糸の引き具合について

糸の引き具合については、教室でもよく話題になりますし、質問でもよくある項目です。
一人で作っていると、どのぐらいの強さで編むのがいいか、迷うことがありませんか。

どの程度というのは、感覚的で伝わりにくいので、どういう点に気を付ければいいのかとか、どのように出来上がればいいのかと考えてみると分かりやすいと思います。

例えば、ネッティング、ヘリンボーン、ダッチスパイラルなどのように、中空の筒状のネックレスを編む場合は、基本的には、筒の形がつぶれない固さに編めていることが必要です。

ただ、どのステッチでも同じ強さで編めばいいかと言うとそうでもなく、ヘリンボーンは、ビーズ同士がつながっている箇所が多く、糸をよく引くと締まりやすいので、あまり強く糸を引かなくても一定の力で編めばうまくいきますが、ネッティングやダッチスパイラルなどは、ビーズ同士がつながっている箇所が少ないため、ヘリンボーンで編む時よりも強めに糸を引かないと、柔らかくなってしまいます。
このように、ステッチの種類と特徴によって、編む強さを変える必要があります。

それから、ネックレスの両端を持って垂らしてみて、長さの変化を確認してみます。
机の上に置いている時に比べて、数センチも長くなってしまうようであれば、引き具合が弱くて柔らかすぎる仕上がりになっているということになります。

その次に、ネックレスの両端をそれぞれ左右の手に持って、図1のどちらかの矢印の方向にネックレスを、ずらしてみます。
うまく編めている場合は、図2のように、どちら側にずらしても、形が滑らかになっています。
うまく編めていない場合は、図3のように、いびつになっている部分があります。これは、図1の状態の時は、「確認箇所」の部分は、直線に近い形の部分にあるので、気付きにくいのですが、図3の位置に来ている場合は、曲線上にあるため、この部分の編み方がきついと、こういう形になります。

これは、ネックレス全体が一定の強さで編めていない場合と、糸継ぎをした部分の糸始末の際に糸を引きすぎている場合のどちらかが原因で起こります。

これらが全部、問題なくできている場合、どのくらいの固さになるまで編む必要があるかが、今度は気になってきます。
1つ編んだ後、その時の糸の引き具合よりも、意識して強く糸を引いて、もう1つ作ってみます。
2個目の状態が、上記の確認事項を試してみても、問題なければ、その糸の引き具合で作っても大丈夫だということになります。
逆に、1個目よりも意識して糸を少し弱めに引いて作ってみて、上記の確認事項が問題なければ、その強さでも大丈夫だということになります。

後は、作る作品の目的に合わせて、この範囲内で糸の強さを変えればいいと思います。
例えば、首への当たりを柔らかくしたい場合は、型崩れしない範囲で、少しだけ糸の引きを弱くして編んでみるとか、きれいな円形のカーブがしっかり出た堅さのあるネックレスにしたいと思ったら、強く糸を引いて編んでみるなどです。

このくらいの糸の引き具合で編むと、どのくらいの仕上がりになるかを手に覚え込ませるように、練習して感覚をつかむようにしましょう。

マットについては、ビーズのマットを編む時のコツ – その1その2その3を参考にしてみて下さい。

スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法(続き)

前回の「スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法」で書き忘れていました。
KT154-1NEとKT154-2NEもスパイラルヘリンボーンで作ります。

こちらは、スパイラルになっている上に、丸小ビーズと特小ビーズの組み合わせになっているので、さらに注意が必要です。
うまく編めると、きれいならせん状になりますが、ゆるいと、らせんの形がはっきりしない間延びした感じになります。特小ビーズの間にすき間ができて、ゆるんでくることが多いようです。

上へ上へと編んでいくイメージで作ると、出来上がった段の上にビーズを載せるような編み方になってしまい、特小ビーズの間にすき間ができて、きれいならせん状になりません。

特小ビーズを内側に巻き込むようにしながら、固定電話の線のようにクルクル巻きながら進むイメージで作ると、出来上がった段の上に乗せるという編み方にならず、特小ビーズの間を締めるような編み方になります。

出来上がっていく方向に対して、編目の断面は、かなり横を向いているのが分かります。

上記のキットは、ビーズアクセサリーLobeliaのKT154-1NE/KT154-2NEはこちらのページで販売しています。

スパイラルヘリンボーンの編み目がゆるくなってしまうことの解決法

スパイラルヘリンボーンのキットは、ビーズアクセサリーLobeliaでは、KT152-1NEとKT122-1NEがあります。
これを編んでいて、編み上がりが部分的にゆるくなってしまうようなことはありませんか。

スパイラルヘリンボーンを1段編むのに、KT152-1NEのネックレス部分は2工程、KT122-1NEは3工程の作業があります。

スパイラルヘリンボーンは、2個のビーズを拾った後、隣の列のビーズに上から下方向へ2個分糸を通し、さらに隣の列のビーズに下から上方向へ糸を通します。
最後の工程だけは、2個のビーズを拾った後、隣の列のビーズに上から下方向へ1個分糸を通し、さらに隣の列のビーズに下から上方向へ糸を通します。

上から下方向へ2個分糸を通す部分は、よく締まるので、ゆるみにくいのですが、最後の工程では上から下方向へは1個分しか糸を通さないため、この部分がゆるみやすくなります。

KT122-1NEは3工程の内、上から下方向へ2個分糸を通す箇所が2工程なので、比較的ゆるみが出にくいのですが、KT152-1NEは、1工程は2個分糸を通し、1工程は1個分糸を通しますので、こちらは、特に気を付けないと、ゆるみの出方が顕著です。

どちらの場合も、最後の工程の時に、糸をゆるませないように注意すると、きれいな編み上がりになります。

筒状に編む場合は、編んでいる物を横に回転させながら編むと思います。
この時に、ビーズから出ている糸を、指から離してしまうと、糸が緩んでしまいます。

また、次の一針を入れる前にビーズから出ている糸を、指から離してしまい、そのまま次の工程をすると、針でビーズを動かしてしまい、せっかくきちんとした状態に編めている部分を緩めてしまうことにもなります。

針を持っていない方の手の指に糸を引っ掛けて固定し、常に編み目を緩ませないようにしておくことが大切です。

最後の工程だけは、他の工程よりも、やや強く糸を引いてから、指に糸を引っ掛けておくと、ちょうどよいくらいです。

スパイラルヘリンボーンのキットは、ビーズアクセサリーLobeliaのKT122-1NEはこちらKT152-1NEはこちらのページで販売しています。

オフルームビーズワークでの糸の色を生かした編み方

オフルームビーズワークで使う糸の色の選択で迷いませんか。」で書いたことを、もう一歩進めると、糸の色を生かして編むということができます。

例えば、上写真に使用しているビーズは、透明系(:Transparent、スキ)のブルーグリーンのビーズです。
左から順に、ダークブルーの糸、ターコイズの糸、クリームの糸、ホワイトの糸で編んでみました。

同じビーズですが、違うビーズを使ったように見えます。
私の場合は、例えば、葉っぱを作る時に、よくこういう方法を取ります。
そうすると、ビーズの色が3色しかなくても、糸が4色あれば、12色のビーズの色があることになります。
また、同じ色のビーズでの、色の濃さが変わるので、陰影を付ける効果も出せます。

また、それ以外にも、ビーズの色が少し薄いと思う時は、そのビーズの色と同系色の糸を使うと、編みあがりの色が少し濃くなりますので、もう少し濃い色があればと思う時は、糸の色をあえて変化させてみるのも1つの手です。

ヘリンボーンステッチは、編み目の特徴から、糸が表面に見えるので、糸の色の影響は大きいです。例えば、透明カラーのシルバーライン(銀引)のビーズを編む時に、ホワイトの糸で編むと、白っぽいシルバーになり、グレーの糸で編むと、落ち着いたシルバーになります。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由。

ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)のキットでよくある質問についてです。
疑問に思っている方も多いのではないかと思いますので、理由と、どういう時にする必要があるのかについて書いておきます。

ネッティングのステッチを使ったこのドイリーの作品の場合、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。

キットによっては、
「11段目。
10段目の頂点(印)の間に、シードビーズを5個ずつ入れる(48箇所)。
今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。

と、なっている物もありますが、同じ意味です。

この「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」の作業をしなくても、形を作ることはできますが、持ち上げた時などに型崩れしてしまいます。

理由は、11段目にシードビーズを5個入れただけでは、上図の2個の×印の部分(5個のビーズの内の2、4番目)のビーズが直接つながっていないためです。
同様に、上図の2個の印の部分(1つ目の山型のビーズの5番目と隣の山型の1番目)のビーズも直接つながっていないためです。

下図のように、×印の部分のビーズと、印の部分のビーズに全て糸を通すと、「今入れたビーズの1、2、4、5番目のみに糸を通す。(今入れたビーズの頂点以外のビーズに糸を通す。)」ということになります。このようにしておくと、型崩れしないだけではなく、山型の形も頂点が飛び出た、きれいな形になります。

この作業は、すべての段では行いません。
下の図のように、その段を編んだ時に、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、ぴったりとくっつくように並んでいる場合のみです。
この場合は、たいてい山型の数も多く、幅の狭い形になっていることが多いため、何もしないと、収まりが悪いため、必ず必要になります。下の図のように、その段を編んだ時に、山の形が低く、隣り合う×印の部分のビーズ同士、あるいは、隣り合う印の部分のビーズ同士が、離れている場合は、行いません。

余談ですが、ペンダントトップの一番外側が、山型になっているデザインの場合も、同様の作業を行うと、きれいに仕上がります。

ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その1
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その2
ビーズのドイリー(ビーズのマット)を編む時のコツ – その3
ビーズのドイリー(ビーズで編むマット)の段の完成後、同じ段に再度糸を通す理由
オフルーム(ビーズステッチ)で使う糸の色の選択で迷いませんか